9つのセクション・出展作家

NACT

国立新美術館で展示

MAM

森美術館で展示

NACT

うつろう世界

世界のいかなる地域や時代においても、地図には政治的、経済的に多様な価値観や視点が織り込まれています。アーティストが描き出す地図は、単に地理的な特徴を記すのではなく、東南アジアの複雑な歴史と空間を表しています。本セクションでは、異なる視点から土地とその意味を見つめる複層的な地図、人々の移動を記録することで記憶を呼び起こす地図、理想的な社会を求めた想像上の地図などをとおして、東南アジアという空間を考えます。

イー・イラン《うつろう世界》 (「偉人」シリーズより)

イー・イラン (b.1971) マレーシア
《うつろう世界》 (「偉人」シリーズより) 2010年

ミマキデジタル・インクジェット・プリント、酸性染料、ろうけつ・藍染め、絹 140.5×298cm
Courtesy: Silverlens Galleries, Makati, The Philippines

NACT

情熱と革命

東南アジア諸国の多くは、第二次世界大戦後の1940年代から80年代まで、植民地支配からの独立が続きました。その間、独立戦争、インドシナ戦争、ベトナム戦争、カンボジア内戦などが起こり、一方では芸術表現への抑圧や弾圧が続いた国も見られました。そうした環境のなかで、多くのアーティストは民主化や表現の自由、言論の自由に向けた活動を行ってきました。本セクションでは、こうした時代をリアルタイムで体験したアーティストの作品を中心に紹介します。

ティン・リン《アートの生物学》(「00235」シリーズより)

ティン・リン (b.1966) ミャンマー
《アートの生物学》(「00235」シリーズより) 1999年

ミクストメディア、綿のシャツ 53×53cm
Courtesy: Martin LeSanto-Smith

NACT

アーカイブ

近年、インターネットの発達によって、それまで発見や入手が困難だった情報へのアクセスが容易になり、それを起点にした調査研究をもとに、美術資料をアーカイブ化しようとする動きが見られます。東南アジアでも、各地で蓄積されてきた資料が公開されつつあり、その一方で美術資料そのものを素材として作品化するアーティストも増えてきました。本セクションでは、そのうちシンガポールのザ・アーティスト・ビレッジ(TAV)の活動を総覧できるコウ・グワンハウの「シンガポール・アート・アーカイブ・プロジェクト」(2007年)をはじめ、いくつかの例を紹介します。

コウ・グワンハウ《シュ・ティエシェン――アーカイブから見る作家の100年》

コウ・グワンハウ (b.1963) シンガポール
《シュ・ティエシェン――アーカイブから見る作家の100年》 2014年

南洋理工大学CCAレジデンシー・スタジオ(シンガポール)の印刷物、資料現物 サイズ可変
所蔵:シュ・ティエシェン&シンガポール・アート・アーカイブ・プロジェクト
撮影: Koh Nguang How

NACT

さまざまなアイデンティティー

脱植民地主義の時代に入り、独立や民主化が人々にもたらしたのは、新しい国家としてのアイデンティティー、民族としてのアイデンティティー、個人としてのアイデンティティーなど、自らを成り立たせているアイデンティティーとは何か、という問いでした。この複雑な問いは、冷戦構造が終焉を迎えた1989年以降、それまでのイデオロギーに替わる新しい価値の基軸を求める世界各地で共有されたものでもありました。この時期に制作された現代美術の作品には、さまざまなレベルでアイデンティティーを問うものが多く見られましたが、これは今日もなお複雑な課題として継承されています。

アラヤー・ラートチャムルンスック《私たちが若かったころ》(「女性像」シリーズより)

ムラティ・スルヨダルモ (b.1969) インドネシア
《アムネシア》 2016年

パフォーマンスとインスタレーション
ミシン、綿、チョーク、木 サイズ可変
パフォーマンス:5時間
パフォーマンス風景:アーク・ギャルリ、ジョグジャカルタ、インドネシア、2016年

NACT

日々の生活

1990年代以降、多くのアーティストが毎日の暮らしや日常に目を向け始めました。国際的にもグローバル化や多文化主義が拡がり、世界各地それぞれの平凡な日常のなかに文化的、社会的、歴史的文脈を見出し作品化することが、新しい世代の表現として注目されたのです。そこでは、家族との思い出、毎日の食事や遊び、路上での多様な営みが、絵画、写真、映像、インスタレーションなどのメディアをとおして現代美術の文脈に持ち込まれました。同時期、世界各地で急速に拡張した国際展では、新しい世代のアーティストが注目され、東南アジアのアーティストも世界へ活躍の場をひろげていきました。

スラシー・クソンウォン《黄金の亡霊(現実に呼ばれて、私は目覚めた)》/ ©2017 Surasi Kusolwong

スラシー・クソンウォン (b.1965) タイ
《黄金の亡霊(現実に呼ばれて、私は目覚めた)》 2014年

金のネックレス、工業用毛糸、ネオン管、鏡、写真、他 サイズ可変
パフォーマンス風景:台北ビエンナーレ 2014
©2017 Surasi Kusolwong

MAM

発展とその影

総人口6億人を超えるASEANは、世界的にも今後の成長が期待されており、自由貿易によって生まれる巨大市場に海外資本も注目しています。成長率は国によって異なりますが、高度経済成長とそれに伴う開発は、都市部の景観を急速に変え、人々の生活にも劇的な変化を及ぼしています。その影で社会には格差が生まれ、伝統的な文化が喪失されることへの懸念もあります。アーティストは、しばしばそうした変化を批評的に見つめています。

ジョンペット・クスウィダナント《言葉と動きの可能性》

ジョンペット・クスウィダナント (b.1976) インドネシア
《言葉と動きの可能性》 2013年

原動機のないモーターバイク、旗 サイズ可変
所蔵:森美術館、東京

MAM

アートとは何か?なぜやるのか?

公的な美術館など現代美術のための制度が発展途上にある東南アジアでは、創造活動の目的も現代美術を取り囲む制度内での成功に限定されていません。むしろ、若い世代のアーティストのなかには、環境問題や離散する地域社会などコミュニティーのさまざまな課題へ向けてアートに何ができるのかを問う姿勢が顕著に見られます。コミュニティーに介入し、一般の人たちの参加を求めるソーシャリー・エンゲイジド・アートの実践や、コレクティブ(集団)としての活動は、日本よりも色濃く見られる特徴のひとつと言えるでしょう。

アイ・コー/ニュー・ゼロ《村の美術学校》

アイ・コー/ニュー・ゼロ (b.1963/2008~) ミャンマー
《村の美術学校》 2015年~

MAM

瞑想としてのメディア

東南アジア諸国では多様な民族、言語、文化、宗教が共存しており、そこで継承されている年中行事や祭祀は、成長や開発が進む今日においても日々の暮らしに密接に関係し、現世だけでなく死後の世界や超自然界に向けられた関心などにも繋がっています。本セクションでは、古来の自然信仰から特定の宗教まで、より幅広い神秘的で崇高な世界を、伝統的な工芸のテクニックや思想をとおして作品化しているアーティストを紹介します。

コラクリット・アルナーノンチャイ《おかしな名前の人たちが集まった部屋の中で歴史で絵画を描く3》

コラクリット・アルナーノンチャイ (b.1986) タイ
《おかしな名前の人たちが集まった部屋の中で歴史で絵を描く3》 2015年

ビデオ 24分55秒
Courtesy: Carlos/Ishikawa, London; C L E A R I N G, New York/Brussels; BANGKOK CITYCITY GALLERY, Bangkok

MAM

歴史との対話

東南アジアの新しい世代のなかには、さまざまな政治的、経済的、社会的な変化を繰り返してきた地域の歴史、とりわけ戦争や抑圧の歴史を訪ね、記憶を継承しようとする動きが見られます。また、現代アートの発展に大きな貢献をしてきた先の世代のアーティストの実践を、現代に継承しようとする意識も見られます。本セクションでは、歴史の再訪や、世代を超えた対話をとおして、今日の社会や現代美術をより大きな歴史のなかに位置づけようとしている作品を紹介します。

ロスリシャム・イスマイル(イセ)《アナザー・ストーリー》のためのドローイング

ロスリシャム・イスマイル(イセ) (b.1972) マレーシア
《アナザー・ストーリー》のためのドローイング 2017年

出展作家(86名/組)

  • *生年(-没年):グループの場合は活動開始年

インドネシア

 

生年(-没年)*

作品展示会場

FX ハルソノ

1949

NACT

ムルヨノとセラム

1957/2006~

NACT

アグス・スワゲ

1959

  • NACT
  • MAM

ヘリ・ドノ

1960

NACT

メラ・ヤルスマ

1960

NACT

ムラティ・スルヨダルモ

1969

NACT

ロラニタ・テオ

1970

MAM

ジョンペット・クスウィダナント

1976

MAM

アングン・プリアンボド

1977

NACT

アリアニ・ダルマワン

1977

NACT

アディティア・ノヴァリ

1978

MAM

アルベルト・ヨナタン

1983

MAM

ファジャール・アバディ・RDP

1985

MAM

イスマル・ムンタハ

1987

MAM

ルアンルパ

2000~

MAM

ジャカルタ・ウェイステッド・アーティスト

2010~

MAM

カンボジア

 

生年(-没年)*

作品展示会場

スヴァーイ・ケーン

1933-2008

NACT

リー・ダラブー

1971

NACT

ソピアップ・ピッチ

1971

MAM

ヴァンディー・ラッタナ

1980

MAM

タン・ソック

1984

MAM

リム・ソクチャンリナ

1987

MAM

ティス・カニータ

1987

MAM

シンガポール

 

生年(-没年)*

作品展示会場

アマンダ・ヘン

1951

NACT

リー・ウェン

1957

NACT

スーザン・ビクター

1959

NACT

コウ・グワンハウ(リム・センゲンとの共同制作)

1963/1981

NACT

ミン・ウォン

1971

NACT

シャーマン・オン

1971

NACT

ズル・モハメド

1975

MAM

ホー・ツーニェン

1976

NACT

ブー・ジュンフェン

1983

NACT

ホー・ルイ・アン

1990

NACT

タイ

 

生年(-没年)*

作品展示会場

チャルード・ニムサマー

1929-2015

  • NACT
  • MAM

モンティエン・ブンマー

1953-2000

MAM

アラヤー・ラートチャムルンスック

1957

NACT

ワサン・シッティケート

1957

NACT

ミット・ジャイイン

1960

MAM

ウティット・アティマナとクリッティーヤ・カーウィーウォン

1960/1964

NACT

リクリット・ティラヴァーニャ

1961

NACT

スラシー・クソンウォン

1965

NACT

ウドムサック・クリサナミス

1966

MAM

アピチャッポン・ウィーラセタクン+チャイ・シリ

1970/1983

MAM

ナウィン・ラワンチャイクン

1971

  • NACT
  • MAM

スティラット・スパパリンヤー

1973

MAM

プラッチャヤ・ピントーン

1974

NACT

アリン・ルンジャーン

1975

NACT

ドゥサディー・ハンタクーン

1978

MAM

コラクリット・アルナーノンチャイ

1986

MAM

フィリピン

 

生年(-没年)*

作品展示会場

ロベルト・チャベット+リンゴ・ブノアン

1937-2013/1974

MAM

サンチャゴ・ボセ

1949-2002

NACT

ノルベルト・ロルダン

1953

NACT

マニュエル・オカンポ

1965

NACT

フェリックス・バコロール

1967

MAM

ライラ・ガルセラノ

1972

  • NACT
  • MAM

キリ・ダレナ

1975

MAM

カワヤン・デ・ギア

1979

NACT

マーク・サルヴァトゥス

1980

MAM

マルタ・アティエンサ&アトニスラ

1981/2015~

MAM

ブルネイ

 

生年(-没年)*

作品展示会場

ヤスミン・ジャイディン

1987

NACT

べトナム

 

生年(-没年)*

作品展示会場

チャン・ルーン

1960

MAM

ディン・Q・レ

1968

NACT

ティファニー・チュン

1969

NACT

ウダム・チャン・グエン

1971

NACT

ホアン・ズオン・カム

1974

MAM

トゥアン・アンドリュー・グエン

1976

MAM

バン・ニャット・リン

1983

MAM

マレーシア

 

生年(-没年)*

作品展示会場

イスマイル・ハシム

1940-2013

NACT

シムリン・ギル

1959

NACT

リュウ・クンユウ

1960

MAM

ウォン・ホイチョン

1960

NACT

イー・イラン

1971

NACT

チュア・チョンヨン

1972

MAM

ロスリシャム・イスマイル(イセ)

1972

MAM

シュシ・スライマン

1973

NACT

オウ・ソウイー

1978

MAM

プーディイン

1979

NACT

パンクロック・スゥラップ

2010~

NACT

ミャンマー

 

生年(-没年)*

作品展示会場

アウン・ミン

1946

NACT

ティン・リン

1966

NACT

ポー・ポー

1967

MAM

マウン・デイ

1979

MAM

アイ・コー/ニュー・ゼロ

1963/2008~

MAM

ミャンマー・アート・リソース・センター・アンド・アーカイブ(MARCA)

2013~

NACT

ラオス

 

生年(-没年)*

作品展示会場

マーイ・チャンダーウォン

1943

NACT

ホンサー・コッスワン

1975

MAM